60代、70代、80代…、痩せていれば生活習慣病などの病気予防になるとは思うけど、もう少し、健康的に太りたい、脂肪をつけたいと考える方もいらっしゃいます。
若い頃は細い方が良いと思っていたのに年齢を重ねてからは、痩せすぎている自分に「嫌気がさしてしまう」という方は意外と多いです。
年を重ねて「痩せすぎ、ガリガリ、細すぎる」などと言われ続けていると、見た目が気になってしまいますよね…。
無理な食事制限や運動で痩せた状態をキープしているわけではないのに…と、思う方も多いです。
健康が気になる高齢者の健康的に太る方法は、どんなことがあるのでしょうか?
食欲が落ち、好みにも変化が…
難しいのは、年齢を重ねて若い時と比べて食欲が落ちてしまったり、食事の好みそのものにも変化が出ているという点です。
以前は、お肉の脂身を食べて積極的に脂肪を摂れば、すぐに脂肪がついて体重が増えましたよね。
ところが、今はアッサリ目の食事に好みが変わり脂身どころかお肉もほどほどで、多量には食べられないという高齢者も多いでしょう。
これでは思うように体重を増やすことができませんよね。
昔は平気だったお肉が年齢を重ねると、どうして胃がもたれるようになってしまうのでしょうか?
年齢を重ねると昔とココが違う!!
若い頃に食べられた霜降りのお肉が、胃もたれして食べられなくなってしまった…。
霜降りのお肉は見た目からおいしそうで高級でもあり、そうそう気軽に口にする食材ではありません。
久しぶりに食べようと思った時、思った以上に量が食べられなくなっている自分に気づくことがあるのではないでしょうか?
実はこれは「胃液の減少」によって「消化機能が弱まったから」起こる現象で、年齢とともに現れる正常な反応です。
ヘルシー志向になってしまっている胃袋を守りながらでなければ、年齢を重ねてからの体重増加は体への負担が増すばかりで、精神的にも苦痛を伴うものになってしまいます。
胃や小腸のはたらきが弱くなってませんか?
胃は食べた物を胃液で消化しやすいように麦芽糖に変化させ、胃酸によって細菌や病原菌の殺菌を行い、一時保管した食物を十二指腸に送り出すまでの働きをしている器官です。
そして、その先の小腸によって、食物の消化・吸収を行うのです。
もう一つ、実は「私少食で…」と、思っている人の中には、もともと胃の働きが弱いことで、あまり食べられないという方もいます。
胃ではなく、小腸が弱っていても、同じことになるのだそうです。
もしも、強い口臭・口の中が苦い・胸やけ・げっぷが多い・胃もたれ・食欲減退・吐き気といった症状に頻繁に襲われているということであれば、胃や小腸の働きが弱っているかもしれません。
年齢を重ねた胃や小腸を守りながら、体重を増やす脂肪を付けるため、食事について調べてみました。
胃に優しい食事でも太れる?!
胃に優しい食事というと療養食のようなヘルシーで太らないもの、といった印象が強いかもしれません。
ですが、本来療養食というと体に負担をかけずに必要なエネルギーを摂取するためのものです。
胃の弱い方が太ろうと思った時には、「胃に優しいもの」を摂取することが近道です。
柔らかいものほど、消化は早いので効率よく体に吸収されます。
咀嚼が重要!
そしてもう一つ、普段以上によく咀嚼すること、これも体への吸収を早め胃への負担を減らしますす。
そのほかにも、胃への負担が強いものとして「熱いもの・脂っこいもの」そして「胃を冷やす食べ物」です。
例えば、のどが渇いたといって冷たい飲み物を空腹の状態で一気に飲む、真夏に暑いからとアイスやかき氷ばかりを食べてしまう、なんていうのはもってのほかですよ…。
健康に気遣う方はよくやっていらっしゃいますが、常温での水分補給がおすすめなのです。
ストレスも胃への負担が大きい
ストレスは万病の元と理解していても、日常生活で「まったくストレスがない!」状態で生活できる人はそうそういないでしょう。
ですが、可能な限り無駄なストレスを抱えない、ということは努力で不可能ではありません。
ストレスによって胃が弱ってしまうのは消化に良くない状況ですよね。
太るために見つけたいストレス解消法
健康的に太るために胃を守ることが大切ですがストレスは大敵なのです。
よく「ストレスがたまると、食べるほうに走ってしまって…」という方もいらっしゃいますが、これは胃が強いか、もしくは若いからです。
睡眠不足解消や就寝2時間前は空腹にしておくと、胃へのストレスを抑える効果があります。
体操や汗ばむ程度の運動、カラオケや芸術鑑賞もストレスが解消され太る方法につながります。
何でも良いので、胃の健康のために解消法を見つけましょう。
食事時に気を付けるべきは?
健康的に太るためには、太って困っている人にも共通して言える”気を付けておくべきポイント”があります。
1.意識して食事に集中する
2.よく噛んで食べる
この2つは健康的な食事法の必須ポイントです。
1口で30回咀嚼する
消化吸収力を向上させることや、胃腸への負担を減らすためによく噛むということが重要です。
よく噛むと唾液が分泌され、消化の負担が減る胃腸は活発化します。それで吸収力が上がるのです。
実際にどのくらいを”よく噛んだ”と言っていいのかというと、目安としては「一口で30回咀嚼する」ことが目安です。
いつも食事で30回は噛んでない方が多いですよね?
ながら食いはやめて食事に集中する
なぜ、集中が太ることと関係しているのかは、 交感神経が優位に働き胃に血液が集まりません。
テレビ見ながら…スマホ見ながら…、ながら食いをすると、消化吸収が遅くなるだけでなく、満腹中枢が刺激されにくくなり胃に負担がかかってしまいます。
これではきちんと消化吸収されておらず、体に吸収されないので意味がなくなってしまうのです。
太る方法には食べる順番も関係があった
「最初に野菜を食べなさい」といわれますが、食べる順番が太る事に深くかかわっているのです。
野菜を最初に食べる事は食物繊維と低カロリーの栄養素を先に摂り込むことで、血糖値を急上昇することを阻止する働きがあるのです。
血糖値が急上昇すると脂肪が付きやすいとされてますが、健康的に太る方法として適切ではなく、満腹感も早くきてしまい量が食べられなくなります。
痩せすぎだからといって脂肪をつけて手っ取り早く体重を増やすのではなく、筋肉を付けて体型を良くしつつ太る食事法が大切です。
食事の順番で太る方法
- 1.野菜や海藻を最初に食べる
- 2.汁物、飲料は一気に摂らない
- 3.タンパク質(肉や魚など)を食べる
- 4.炭水化物(ごはんや麺類、パンなど)を最後に食べる
という順番ですと血糖値の急上昇を防ぐことができます。
飲料や汁物は一気に飲むと胃酸を薄めて消化の妨害となりえますので、少しずつ摂りましょう。
炭水化物は消化されると糖質に変化するので摂取したい栄養素ですが、糖質が高いので食事最後の段階で摂取することが望ましいでしょう。
また、空腹時というのは「早く食べたい」ですし、吸収率がUPしている状態なので食事の最初はよく噛むことを忘れないのが太る方法として効率的なのです。
嫌いなものを食べないで太れる?
太れない高齢者の中には物理的に食べる量が少ないという方もいらっしゃいます。
少食の方に「無理をしてでもたくさん食べてください…」といってもそれは苦痛ですし無理です。
食べ物の好き嫌い、してもいい?
前にも書きましたが「ストレスも胃を弱めてしまう要因」なので、無理に嫌なものを食べる必要はないのです。
「好きなものをできるだけたくさん食べられるようにする」ことが、まずできる最初の一歩です。
痩せている方はヘルシー志向で太りにくいものを好む性質が強いかもしれません。
例えばこんにゃくが好きで、こんにゃくばかり食べたからといっても太れる気がしませんよね…。
カロリーよりもまずは、”たくさん食べる体験”を!
少食の方が食べられるようにするトレーニングとして「好きなものをたくさん食べる」ということに意味があります。
30日間、目標を決めて食べてみましょう
まずは、1カ月という期限をきめて今よりもたくさんの量を食べられるように、ということを目標に頑張ってみてください。
そうすることで、自然と胃が活発になり大きくなっていきます。
だんだんと食べられる量を増やしていくことで、自然と胃の働きも活発になっていくのです。
無理にいきなり多くを食べるのは無理でも、これなら実際に「今まで少食だとあきらめていたけれど、だんだん食べられる量が増えて食事が前よりも楽しくなった!」という方もいらっしゃるので、試してみる価値は十分にあります。
どうしても太れないという方のために
食事の量を増やすのはストレスで…という方の中に、「タンパク質の食材が苦手」という方がいらっしゃいます。
さすがに野菜をいくら食べても太るほどは難しく、大豆などの豆類で補給するという手段もありますが、それも大量には難しいですよね。
プロテインでタンパク質を摂取
そのような方々にとって、太る方法の救世主となるのが「プロテイン」です。
プロテインは「筋肉をつけることで体を引き締める=ダイエット目的で使用するもの」というイメージが強いですね。
高齢者であっても筋肉をつけるというのは、体型がよくなり健康的に見えます。
タンパク質を効率よく手軽に摂取できるのがプロテインなのです。
筋トレをせずともプロテインを飲んでいればタンパク質を手軽に摂取できますし、製品によっては、そのほかの栄養素についても比較的バランスよく摂れますよね。
バランスの良い食事というのはダイエットだけではなく、健康的に太るためにも重要なポイントです。